ぬくもりふわり

 

きみは笑う 記憶のなかで やわらかく
逃げ出してきたわたしを 風がこする

思い出せない 大切なはずの 何かを
傷つけても 何も伝わらなかったの

帰る場所も すがれる背中も
「もう、いらないよ」 だけど さむいよ
あふれる しずくきらり

忘れていたものは ありふれた気持ち
ありふれた体温 心にあいた隙間
思い出した あの日の優しさ
街明かりの寒い夜

きみは笑う ぼやけた視界の まぼろし
逃げ出そう 木枯らしの吹くこの街を

帰る場所へ きみのいる場所へ
「ごめんね」って言うよ 「いいよ」って言ってよ
つつむ ぬくもりふわり

きみの体温と わたしのほてりが
肌寒さに反射して隙間を満たしていく
帰ってきた あの日の記憶に
きみの腕のなか ありふれた今日という日に
ぬくもり つつんだ ふわり