ちぎれ

 

露わになった心の枝先
しんと冷えた風に折れて
何か忘れているような気がした
その時には 紛れもなく
幸せだったろうな

枯れ葉になった上辺のありがとう
桜咲き揃う日には
本物になって還ると信じた
その想いは
届かなくなった頃には遅かった

今にも消えそうな声で
ごめんねなんて言わないで
ただでさえ小さい雲が千切れて
雨にさえもなれない

行き先も知らないバスに乗る
終点が見える頃には
答えが出てくれると信じた
降りてみたら
帰れなくなった言い訳にしようか

今にも消えそうな笑顔で
苦しいのを隠さないで
ささやかな約束さえ守れない
ごめんねさえ言えない

出逢った時と同じ
尖った風の匂い
出逢った時と違う
湿った声の響き

出逢った時と同じ
笑った顔の翳り
出逢った時と違う
滲んだ空の光

今にも消えそうになって
さよならなんて言わないで
ささやかな約束さえ守れない
ごめんねさえ

いつかと同じような声で
ありがとうだけ言わせて
ただでさえ小さい雲が千切れて
雨にさえもなれない

出逢った時と同じ
籠った部屋の匂い
出逢った時と違う
乾いた声の響き

出逢った時と同じ
笑った顔を見せて
出逢った時と違う
滲んだ空の光